「はんぶん堂工作教室」人形作家フーミンさん「思いを形に」子どもの個性を伸ばす -浦安市

ちば湾岸エリア

 「ワクワクするものを作り出そう!」。そう話すのは人形作家のフーミンさん。相棒はパペットのロバ次郎君。想定68歳だそう。浦安市北栄の文房具屋「はんぶん堂」で工作教室を主宰。昨年にはニッスイ食品の30周年パペットも制作した。

 工作教室は子どもからオーダーを受け、その子に合わせたプログラムでレッスンを行う個別スタイル。子どもが「こんな絵を描きたい、こういうものを作りたい」と頭に浮かんだことを形にするお手伝いをするのだ。

 このスタイルにした訳は子どもたちにワクワクしてほしいから。「自分で思考し、自ら行動し、その子らしくあってほしい」と願う。「だから失敗もあえてさせる。作品を自分の力で完成させることで自信がつく」とフーミンさん。

 「これから先、どんなことが起こるかわからない。生きていればいろいろある。でも思いを形にする力はやがて未来を切り開く力になるはず!」と、フーミンさんはロバ次郎に熱く語りかける。

 ロバ次郎はフーミンさんの手によって生み出されたハンドパペット。人形劇団ロバ次郎の看板人形でもある。フーミンさんが人形劇を始めたのは9年前。2016年の長女の反抗期がきっかけだった。口をきいてくれなくなった10歳の長女が、ある日やりたいことのメモをくれた。そこには「ママと絵本を作りたい」と書いてあった。

 しかし、絵本を全く作ることが出来ず、を全く描けず、長女の心は離れていった。悔しかったフーミンさんは人形劇なら作れるかもと思い、一人で作りを始めた。2017年に市川市の人形劇サークルを見つけ、そこでパペットの作り方を教わる。初めて作ったパペットがロバ次郎だった。

 その人形劇サークルの事務所の隣に工作教室があり、そこのお手伝いをやったのが工作教室を始めるきっかけ。現在のレッスンスタイルには自身の子育て経験も生かし、子どもと向き合っている。

 「はんぶん堂工作教室からワクワクするクリエーターが育ったらいいなあ」とロバ次郎に語りかけるフーミンさん。そんな個性的な先生のいるはんぶん堂工作教室からどんなクリエーターが育つか楽しみだ。

■「人形劇団ロバ次郎」公演予定。人形劇「赤ずきんちゃん」。3月20日(木祝)。浦安市北栄3-19-4「はんぶん堂」。

▽問☎047・369・6717(はんぶん堂)。