●医療最前線ドクターリポート193 |
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知っていますか? 日本大学松戸歯学部は歯科学を「口腔科学(Oral Science)」と捉え、医学の一分科としての教育を展開。最前線で活躍する歯科・医科のスペシャリストに、医療現場の現在と未来について連載でリポートしてもらう。 日本大学松戸歯学部小児歯科学講座 教授 清水武彦 先生 |
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小児歯科の治療の際に、しばしば“エナメル質形成不全”の歯を診ることがあります。エナメル質は歯の表層を覆う人体で最も硬い組織です。エナメル質形成不全は、エナメル質の色や形に異常を生じた状態のひとつです。 幼児期の乳歯前歯の外傷が原因のもの 特に多くみられるもので、永久歯の前歯のエナメル質形成不全です(写真1)。
原因は、0〜3歳の転倒によって乳歯前歯に外傷を受けることです。顎の骨で成長中の永久歯の歯胚が損傷を受けます。 幼児期の大きなむし歯が原因のもの 4番目、5番目の永久歯(小臼歯)に多くみられるエナメル形成不全です(写真2)。
原因は、乳歯の“神経(歯髄)”が死んでしまうような大きなむし歯の長期間の放置です。幼児期の乳歯のむし歯によって歯髄が失活し、根の先に膿を生じることがあります。永久歯の卵がこの膿に接して成長すると栄養状態が悪く、エナメル質が健康に育ちません。 原因不明の永久歯前歯と6歳臼歯のエナメル質形成不全 MIH(Molar Incisor Hypomineralization)と呼ばれ、原因不明で6歳臼歯や永久歯前歯のエナメル質形成不全がみられます。歯の一部分の色や形の異常から、エナメル質全体に異常がみられるものまで様々です。
エナメル質形成不全の対応 歯科の対応として、部分的な軽度のエナメル質形成不全は、小児期は経過観察することが多いです。歯の変色や形の異常が中等度の場合、コンポジットレジンと呼ばれる材料で色や形を修復します。 |
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■日本大学松戸歯学部庶務課 電話047・360・9567 |