世界を舞台に活躍するアーティスト DRAGON76が壁画を描く-八千代市

アート

八千代市緑が丘の商業施設「ism 緑が丘」で今年3月、壁面が突如として世界の注目を集める巨大なキャンバスへと変貌した。

そこに現れたのは、国内外で高い評価を受ける、DRAGON76(どらごんななろく)。壁画やライブペインティングなどの活動を展開するアーティストだ。スプレー缶を手に、彼は「THE BEAST WALLS」と銘打つ壮大なプロジェクトを八千代市で始動。なぜ、世界を舞台に活躍する同氏がこの地で壁画を描くことになったのか。

同氏に白羽の矢を立てたのは、パチンコホールなどを運営する株式会社マルハン。地域活性化のため「ism 緑が丘」を使用した大規模なアートプロジェクトを企画。数々のアーティストの中から、唯一無二の作風と圧倒的な存在感を持つ氏が選ばれた。

ニューヨークのワールドトレードセンターの壁画、イギリスのプレミアリーグ、リバプールFCのプロモーションビデオ制作、ワールド・ベースボール・クラシックの広告、日清食品「カップヌードル」の広告など、世界的な企業や団体からも高く評価され、多岐にわたる活躍をするアーティスト。インタビューすると、大胆なアートを展開するのとは裏腹に、驚くほど謙虚な人柄に驚いた。


「このキャラクターは私のオリジナル。胸の『ウロボロス』は始まりと終わりの繋がり、輪廻転生の意味で、古代ギリシャの象徴。大好きなスターウォーズが黒澤明監督の『七人の侍』から影響を受けたと知り、日本人の私がそれを昇華させ、日本の伝統的なモチーフと組み合わせた。子どもや市民が楽しめるおもちゃ的なものを目指し、共同制作の願いも込めた。このような機会をいただき、心から感謝している」。

プロジェクトのネーミングは、「『THE BEAST WALLS』には2つの意味がある。アメリカで制作活動を行う中で、作品を『BEAST』、つまり『怪物』と評されることが多く、私の技術や集中力が、まるで何かに取り憑かれたかのように感じられたからかもしれない。特に、完成間際の最後の1時間は、まさに『ビーストモード』と呼ぶべき状態で、我を忘れて制作に没頭。『BEAST』の『A』を上下反転させると『BEST』になる。ここが、アーティストたちが自身のベストを尽くせる場所になるようにとの願いを込めて名付けた」。

今後も市民参加型の企画が計画進行中だ。これからどのように地域の人々と新たな物語を紡いでいくのか、その動向から、目が離せない。

▽問☏050・1754・4276齋藤さん。