高い技術と表現 「ヨーロッパ版画の世界」展

ちば湾岸エリア

酒井清一さんのコレクション

7月7日から30日まで オーエンス八千代市民ギャラリー

八千代市

「ヨーロッパ版画の世界」展がオーエンス八千代市民ギャラリーで7月7日(金)~同30日(日)まで開催される。

 イタリア、フランス、イギリスの17世紀から現代までのオリジナルと複製版画約100点と版画で描かれた街と芸術のパネル掲示約40枚、銅版画が掲載された貴重な書籍で構成され、版画芸術の理解と魅力を伝える展覧会だ。

コレクターの酒井清一さん ※撮影・伊藤雅章氏

 これらはすべて東北芸術工科大学教員で造形作家の酒井清一さん(70)が所有する作品。展覧会開催前に酒井さんを訪ね、コレクションの話や作品鑑賞のポイントを伺った。

 コレクションのきっかを尋ねると、「海外の展覧会に行き、立ち寄った古書店やマーケットで古版画に出合い、高い技術や表現に感動して、購入し始めた」。公開する理由は「版画芸術の質の高さを一般の方々にも理解していただきたい」との強い思いからだと話す。

 個々の作品について見てほしい点を尋ねると、「元の絵を再現する当時の技術の高さに注目してほしい。さらに、神話やキリスト教文化に対する理解もしてほしい」。

 アートに接する時に大事にしていることについては、「自分の感性を大切にすること。自分はアートに接して幸せな人生を送ってこられた。芸術は人を幸せにする力があるので、接する機会をたくさん持っていただきたい」と穏やかに、かつ力強く語ってくれた。展示の概要は次の通り。

「OFHELIA」 A-HUGHES画 1840年

▼イタリアは「版画で描かれたイタリア」掲示と17~19世紀、現代イタリア芸術家の銅版画を展示。

▼フランスは「版画で描かれたパリ」展示と17~19世紀の銅版画、木口木版画、パリで活躍した芸術家たちの現代までのリトグラフ版画の展示。

「NICE 」 Marc Chagall 20世紀

▼イギリスは17~19世紀の肖像画、風景画、文学作品挿絵や生活画等の銅版画の展示。

酒井さんから直接お話が聞けるギャラリートークは17日(月)14時~15時30分。

▽休館日は7月10日(月)、18日(火)、24日(月)。

▽八千代市村上2510。「オーエンス八千代市民ギャラリー」第1展示室~第4展示室 特設会場。9時~17時。東葉高速線「村上駅」から徒歩約10分。入場無料。

▽問☎047・406・4116。

●写真cap 「Rio-運河」 Ugo Baracco

コレクターの酒井清一さん ※撮影・伊藤雅章氏