がん診療最前線19「新薬誕生について」

がん診療最前線

皆さん、コロナ禍で自粛生活も長く続き、ストレスもたまり疲れていることと思います。

 今回は「がん診療最前線」の連載の中で少し毛色の異なる話をさせていただきます。

 ご存じの通り新型コロナウイルス感染症の治療薬として、エボラ出血熱を対象に開発されていたレムデシビルが5月に承認されました。

 本薬の有効性・安全性についての情報が少ない中、承認の申請からわずか3日というスピードで特例承認が発表され、極めて異例のことでした。

 通常薬が承認されるまでには、治療薬開発後に臨床試験(治験)が必ず行われます。それには3つのステップがあります。

 ステップ1では健康な成人を対象に安全にどれだけ候補薬を投与することができるかを調べます。ステップ2では少人数の患者を対象として病気に対して効果の程度(有効性)と、副作用の程度(安全性)を調べます。ステップ3では多数の患者を対象に現在使われている標準薬と比較して新薬の有効性、安全性、使い方を調べます。

 以上の3つのステップが終了した後に、新薬を開発している製薬企業が国(厚生労働省)に「くすり」として認めてもらうために申請します。国(厚生労働省)は厳正な審査を行い、承認することで新薬が誕生します。 レムデシビルがこのステップを踏まずに特例的に承認されたことから、新型コロナウイルスがいかに危険かわかると思います。

 非常事態宣言は解除されたものの、再度感染者数の増加が気になります。このウイルスの危険性を考えると、個人レベルでの手洗い、うがいなどの予防が重要であることは間違いありません。長い戦いになりますが、みなさん頑張りましょう。

消化器外科部長、消化器がん腹腔鏡・ロボット手術センター副センター長 松本 寛 先生

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