かかりつけ薬局の知っ得情報㉛「漢方薬」

かかりつけ薬局の知っトク情報

 新型コロナウイルス感染症の影響もあり、薬局には免疫力を高める目的でサプリメントや漢方薬を求める方が増えました。

 先月のサプリメントにつづき、今月は漢方薬について考えてみます。

残念ながらいずれも新型コロナウイルスの感染予防に有効であるという根拠はありません。しかしながら、長引くコロナ禍で「コロナ疲れ」「コロナうつ」という言葉が生まれるほど身体的にも精神的にも疲れている人が多いのではないでしょうか。

 このような状態を漢方では「未病」という概念で捉えます。「未病」とは「病気に向かう状態」を指し、この未病の時期を捉えて治すことを「未病を治す」といいます。

  「コロナ疲れ」「コロナうつ」の状態にもっとも有用だと考えられる漢方薬のひとつに「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」という処方があります。 補中益気湯の「中」は中焦(胃腸)を指し、それを補い、益気(元気にする)するというもので、簡単に言えば胃腸の消化・吸収機能を整えて「気(エネルギー)」を生み出して病気に対する抵抗力を高めるというものです。

 滋養強壮作用のある朝鮮人参と黄耆(おうぎ)、水分代謝をよくする白朮(びゃくじゅつ)、鎮静作用や消炎作用のある柴胡(さいこ)、補血作用のある当帰(とうき)、鎮静・鎮痙作用のある升麻(しょうま)、胃腸の働きを良くする陳皮や生姜など10種類の生薬から成ります。

 これらが一緒に働くことで多くの効果を発揮しますが、大きく分けると生命維持に必要なエネルギーを補給する「補気作用」と、ストレス発散や疲れた心を引き締めて免疫力をアップさせる「理気作用」の二つになります。

 補中益気湯は、長期化するコロナ禍で心身共に疲弊した状態を改善するのにとても都合の良い処方と言えるのです。ただ、予防目的での服用は保険医療では認められませんので、お求めは通常、薬局やドラックストアになります。補中益気湯が合わない人もいますので薬剤師に相談してから服用するようにしてください。

 担当薬剤師 横尾 洋

問い合わせ☎047・360・3600一般社団法人 松戸市薬剤師会

タイトルとURLをコピーしました