生活空間に華やぎ 祈りを込めた和柄の美 組子細工(くみこざいく) 嶋野木工所 嶋野浩司さん 佐倉市

ふれあい毎日
月と波と大地をイメージした創作組子(部分・胡麻柄と竜胆)
欅材の七宝と桐ノ葉の組子の衝立(2009年製作) と嶋野さん

 組子細工をご存知だろうか。麻の葉やひし形、七宝などの美しいデザインを、材木を薄く切りだした細い木で組んだもので、日本家屋の障子や欄間などに使われている。細い部材を、釘を使わずに一つひとつ手作業で組み上げていく伝統的な技法だ。組子の語源は手を組む、人とのご縁を組むの意。日本家屋だけでなく、最近ではモダンな建築物の意匠にも用いられたり、絵を飾る感覚で組子細工を飾る人も多い。

  組子の和柄のデザインには縁起物が多い。例えば「麻の葉」は子どもの成長を祈り、産着などにも使用される。成長が早くまっすぐ伸びて欲しいとの祈りが込められている。

  材料は一般的には杉や檜だが、まれに欅なども使う。欅は硬く扱いにくい材質だが重厚感のある仕上がりになる。

  千葉県では数少ない組子細工の第一人者が佐倉市の嶋野木工所の嶋野浩司さん(44)だ。先代から営む建具屋の後継のために高校卒業後、栃木県の鹿沼市で修行。日光東照宮の建築などで細工職人が多く集まるその地で偶然出合ったのが組子細工。その美しさに魅了され、修行期間終了後も東金市の組子細工の名人のもとに通いで修業を続け、技術の習得に努めた。

  2006年の全国建具展示会徳島大会で「三ツ組手の面取り」という、立体感を出しつつ細く見せる、非常に高度で手間のかかる技法で厚生労働大臣賞受賞。2009年には技能グランプリで最高賞である厚生労働大臣賞を受賞している。

  「組子細工は少しでもずれたり、きつくてもゆるくても組めない。湿度、天候、木の性質の微妙な変化に対応しながら制作する。木の色合いを生かしたデザインを考えながら制作していくことも大切」と嶋野さん。
一点ものが多く、制作に長期間を要するため、完成時の達成感もひとしおだが、納品後は寂しさも感じるとか。「個性のある作品を残し、裾野を広げて後継者も育てて行きたい」とも。

佐倉市飯塚932。
▽問 電話043・498・1247。

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