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発行日 毎月第1水曜日発行
更新日 2016年6月1日

トップニュース 2016年6月号

満員御礼
祝 第三百回記念

伝統文化を支え、地域に笑顔を届けて
「念々寄席」25周年
230余人が来場
船橋市 大念寺
船橋市


前列右から菊之丞師匠、大島住職、たい平師匠、あずみ。後列はリーベフラウ


 船橋市馬込沢の大念寺(大島明住職)で記念すべき25周年、第300回「念々寄席」が先月26日、本堂いっぱいの230人もの来場者を迎えて開催された。

 落語にさきがけ、住職から、生家の大坂城代の墓所で有名な「大念寺」では戦後、桂米朝や桂春団治など、後に人間国宝になる、そうそうたる面々に高座を提供してきたという歴史が語られた。

 女声コーラスのリーベフラウは「月の砂漠」等を、ご常連の古今亭菊之丞師匠は「火焔太鼓」、テレビ「笑点」でも大活躍の林家たい平師匠は長い枕で大サービス、「猫の災難」を熱演。「前座の頃から何度もお世話になった高座」とたい平師匠。三味線漫談の林家あずみも舞台に花を添えた。

 来場者には記念に夫婦の長寿箸と特製ボールペンが記念品として配られ、中入りには恒例の茶菓が振る舞われた。「楽しい落語を聞いて、いただいたお箸を使って、また長生きできます」と来場者らは大喜び。

 たい平師匠の江戸木遣り「寿」と三本締めでお祝いの会はお開きとなった。今月は23日(木)18時から。アクセスは4頁「和みの郷霊園」地図参照。木戸銭500円。

〇問い合わせ 電話047・439・6547(大念寺)



 

描くことは生きること〜〜佐倉市〜 
自転車マナー大丈夫ですか〜鎌ヶ谷市〜  
保育園建設断念〜〜市川市〜 

●描くことは生きること

障害を持つことにより見えるもの
〜歌舞伎を描く〜谷村虎之介さん

佐倉市

 

作品の前に立つ谷村さん

 

 千葉市美術館で先月17日から22日に開催された第17回アートフレンズ展(千葉幕張ロータリークラブ主催)に出展していた佐倉市在住の谷村虎之介さん(18)を訪ねた。谷村さんは迫力ある歌舞伎役者の姿や文楽人形などを彩り豊かな日本画絵具で描いている。同展には第13回から毎年出品。

  谷村さんは3歳8カ月の時に発達障害(自閉症)と診断され、言葉でのコミュニケーションを取ることが難しい中、幼稚園の年長時に両親の趣味である歌舞伎のDVDを見て興味を持ったという。初めて歌舞伎座の舞台を見たのは小学1年の時。以来何度も劇場に足を運んでいる。


船頭(歌舞伎「雷船頭」より)

  「舞台の雰囲気、衣装、義太夫や長唄などの音の表現に魅かれるのでしょうか、幼い時から楽しそうに、大人しく鑑賞しているのです」と母親の祥子さん。

  中学1年から高校1年まで絵画教室に通い、絵を描く楽しさに目覚め、2014年、15歳で初個展を開催。また同年、林原国際芸術祭゛希望の星2014でグランプリ受賞。その後も次々と熱心に制作に取り組んでいる。

  歌舞伎を題材にした作品が多く、一番のごひいきの役者は市川海老蔵。最近では独特の感性と優れた観察眼で、文楽人形を題材にした作品も手掛けている。描くことが楽しくて途中でやめられない程集中することもある。大作も20時間程で仕上げてしまうそうだ。興味を持ったことに向き合い、力作を描き上げていく姿は同じ障害を持つ人たちのまさに希望の星だ。

  現在常設で谷村さんの作品が見られるのは、先月、おすすめの店で紹介した薬膳ごはんの「万里庵cafe」(佐倉市上座590-50)と、聖路加国際病院本館3階の病棟ロビー。谷村さんの目を通して描かれた鮮やかな色彩と力強い作品に元気と希望がもらえるはず。

今後の活動予定などはfacebookで。https://www.facebook.com/StudioTora1998/
問い合わせ先 studiotora1998@gmail.com


 

 


女性作曲家の室内楽を聴く午後

 

平成28年度 男女共同参画週間事業
25日14時〜16時
きらり鎌ヶ谷市民会館 きらりホール
鎌ヶ谷市  入場無料


佐野隆哉さん(ヒアノ)

解説の小林緑さん

 平成28年度鎌ケ谷市男女共同参画週間事業として「女性作曲家の室内楽を聴く午後」と題したコンサートが25日、開かれる。ピアノ、バイオリン、チェロの名手たちによって、エルフリーダ・アンドレーやルイーゼ・アドルファ・ル・ボーなど5人の女性作曲家の作品を演奏する。先着申し込み510名で、入場は無料。

  出演はいずれも国内外で活躍する一流の演奏家が揃う。佐野隆哉さん(ヒ?アノ)、横山奈加子さん(バイオリン)、上森祥平さん(チェロ)。解説の小林緑さんは「女性と音楽研究フォーラム」会員で国立音楽大学名誉教授、女性作曲家を主題に研究、講演、コンサートなど企画、監修している。

●会場:「きらりホール」鎌ケ谷市富岡1-1-3(ショッピングプラザ鎌ケ谷3階)。新京成線「初富駅」すぐ。

●問い合わせ・申し込み:鎌ケ谷市男女共同参画推進センター 電話047・401・0891。FAX047・401・0892。
Eメールdanjyo@city.kamagaya.chiba.jp

●氏名(ふりがな)・電話番号・年代を記入して申し込む。


 

●保育園建設断念

待機児童解消、道遠し

市川市

 

 ショッキングなニュースが飛び込んできた。4月、市川市内で開設を予定していた認可私立保育園(定員約100名)が、建設予定地の住民の反対により、開設を断念したという。市川市は記者会見を行い、地域住民と事業者である社会福祉法人との話し合いを試みたが、一度も同じ土俵にのっての建設的な協議が実現しなかったこと、建設許可は下りているものの、今後のスムーズな運営に懸念を持った法人側が、白紙撤回を決定したこと等を説明した。

  問題の土地(菅野4丁目1番)は、JR本八幡駅から1`程の閑静な住宅地で、戸建に住む旧住民の多い地域である。反対運動で500筆以上の署名を集めた。反対の理由としては、保育園に通じる道路の狭さや、木造園舎による日中の音の問題に加え、突然空き地に建設の看板を立てられ、事前の説明がないという声がある。

  確かに予定地は公道に面しておらず、車1台がやっと通れる位の道幅しかない。安全対策として、送迎時手前に駐車場や駐輪場を確保する必要はあるだろう。音に関しては、法人側が防音対策を施すと提案したが、受け入れられなかった。

  また、近隣住民等への整備、開設に係る周知説明は、審査決定後、実際の整備の前にとなっていた。一方法人は、公募申請の前に市との事前協議を義務付けられており、本申請の前に担当課が現地調査、確認を行っている。今回は保育園を建設可とした市と、相応しくないと主張した住民の間に、大きな隔たりがあったようだ。

  市川市は昨年4月1日現在、313名の待機児童があり、その後も増加の一途。待機児童対策は喫緊の課題である。特に総武線沿線の主要駅周辺に、待機児童が多いことから市川、本八幡エリアに新設園を進めてきた。しかしながら都市化した駅周辺には、見合う広さの土地はなかなか見つからない。今回断念された場所は、駅まで徒歩15分程度で、ニーズの高い望ましい立地であった。

  女性の活躍が叫ばれている昨今の社会情勢の折、このような事態を嘆き恥じる市民も多い。「今大人となった人も、子どもの時代があったはず。子どもの出す音や悪戯に、寛容な環境で育ってきたことを、忘れてはいないか」と。

  建設撤回に至った反省から、市はその後「公募の申請に先立って事業者自らが近隣住民に周知説明を行うこと、決定後にも同様の説明を行うこと」と、要件を変更した。

  市川市は現在、国基準の数え方で500名を超える待機児童を抱える。子どもは国の宝ではなかったのか。せめて、話し合いで解決できる地域社会でありたいと切に願う。