トップニュース 2011年7月号

船橋漁港で毎月第3土曜に開催される朝市はスタートして間もなく1年になる。当初、「船橋に港がある」のを周知するのが目的だったが、今では目当ての店に常連客が行列を作り、開始時間よりも早く市を開けるほど人気のイベントとなった。

一番人気は、その日水揚げされた鮮魚や魚介類。漁師が直接販売するので、格安でしかも活きがいい。6月の朝市では高級魚のスズキが1匹丸ごと1000円で並んだ。揚げたてのスズキのから揚げ(300円)も、おろしショウガを効かせて絶品の味。大きい粒の船橋特産ホンビノス貝のいろいろな食べ方を直接教わるのは楽しみの一つだ。

漁港の市場だが、船橋産の野菜も種類豊富で、「西船橋コマツナ」(150円)や枝豆「げんき娘」(300円)など、船橋ブランドの野菜がずらりと並ぶ。試食販売もあり味を確かめられるのも朝市ならでは。「まずは味を知ってほしい。おいしい、と直接お客さんからの声が聞けるのがうれしいね」とコマツナ生産農家の平野代一さん。コマツナを使ったパンの缶詰(450円)など加工品もある。他にも船橋市内のレストランや焼き肉店、パン屋など毎回10から12店舗が出店している。

「意外と知られていないが、3月の震災でこの漁港は1メートル50センチもの津波に襲われ、東京湾で一番大きな被害を受けた。さらに風評被害も受け、しばらくは漁に出られなかったが4月の朝市開催までに復旧した」と、朝市を主催する(株)ダイサン代表の小川裕一さん。

朝市会場にも震災の被害の様子がパネルで展示されたが、現在は完全に復旧し、朝市にも活気が戻っている。「ふなばし三番瀬海浜公園は現在立ち入り禁止、船橋市内で海にふれあえる場所はこの漁港だけ。天気が良ければここで海を見ながら朝ごはんを食べたり、家族で足を運んで楽しんでほしい」と話す。

7月からの3カ月間、開催時間は朝8時から。準備が出来次第セリのように鐘で開始の合図がされるので早めに来場するのがおすすめ。

▼アクセス=JR総武線船橋駅から徒歩20分。
京成線大神宮下駅から徒歩15分。
船橋駅南口よりバス「湊町2丁目」下車徒歩5分。

▼問い合わせTEL:047〜433〜1125(ダイサン)

http://funabashi-gyoko-asa1.jimdo.com/

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朝市で新鮮な魚をもとめる人にも笑顔がこぼれる
スズキの唐揚げを手にする小川さん(右)と内海さん
コマツナ生産者の平野さん(左)と息子の徹さん




動物と飼い主に寄り添う往診型動物診療所 おうちケア
ぬくぬく 獣医師の小倉さん

ペットを飼う家庭のさまざまな事情に柔軟に対応出来ることから、往診型動物診療所「おうちケアぬくぬく」(小倉礼子院長)が注目されている。獣医師の小倉さんは船橋市を拠点に市川市、習志野市など近隣地区の家庭へ訪問診療を行っている。

悪天候や通院の不便、飼い主自身が高齢で診療所に連れて行くのが困難、ペットが知らない場所で怯えるなど、動物にも飼い主にも負担がかかる通院に代わって、獣医師が予約制で往診に来てくれる便利なシステムだ。フィラリア検査や予防、各種ワクチン接種などの一般的なものから、終末期医療やオーダーメイド医療にも対応しているので、利用者に喜ばれている。

「ペットを飼うことは話し相手が出来て生きがいになり、心身の健康にも良いのでおすすめしています。でも大型犬などを高齢の飼い主さんが治療に連れて行くのは一苦労。特に老齢で終末期医療に入る動物には、慣れた家で看取りたいと希望する飼い主さんも多い。そういう気持ちに寄り添い、役立つ医療を目指しています」と、院長で獣医師の小倉礼子さん(53)。

簡易検査はできるが、往診で限界のある検査や治療は近隣の動物病院との協力体制が出来ているので問題ない。現在一人で運営と診察を行っているが、ゆくゆくはスタッフを増やして業務を拡大していく予定。「いつまでもペットと一緒に暮らすことを楽しんでもらえるようお手伝いしたい」と小倉さん。ペットを飼う家庭には頼もしい味方になりそうだ。

▼診療日=月・水・木・土曜10時〜18時(完全予約制)。

▽問い合わせTEL:090〜5580〜3927(船橋市習志野台4ー64ー21)

http://www006.upp.so-net.ne.jp/nukunuku/

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自宅での診療は動物に不安がないので喜ばれている
獣医師の小倉さん




「三宝通信」法話

霊が〈わかる〉とはどういうことか

霊が〈わかる〉とは、いったいどういうことなのでしょうか。私には、ときにぼんやりと、ときにしっかりと「本人」を実感するのです。いわばそれは、「本人のてごたえ」と言っていいかもしれません。たとえば、背後に視線を感じるといった経験があるかと思います。そのような、「よくわからないけれども、感じる」「たしかに、なにかある」という感覚と言ったらいいでしょうか。

私には生きている人よりも、死んだ人のほうがわかりやすいのです。そして、「本人」の性格、人柄、なにを訴えているのかがわかるのです。生きている人は、心が瞬間瞬間に変化するのでかえってわかりにくいのです。ところが亡くなると、その時点で、「本人」の心のありようが変化しないで、そのまま止まっているようなのです。だから、わかりやすいわけです。

ただ、霊を感じとれるためには、いささか受信状態が大切です。緊張していてはわかりません。リラックスしていたほうが受けとりやすい。たとえば、風呂につかってほっとしているけれども、ぼんやりしているわけではないような状態。

自分を限りなく無というかゼロの状態にしていって、心を研ぎ澄ましていった状態ーーそんなときに霊を感じやすいのです。

私の場合は、故人を前にしてお経をあげるときが、もっとも研ぎ澄まされた状態になれるのです。

私は、故人の霊(本人)がわかり、それを感じながらお経をあげることになります。すると、亡くなった方の霊(本人)の状態によって、声の調子から力の入り方が自然に変わってくるのです。私のその気持ちは「本人」に伝わるのはもちろん、ご遺族にも伝わり「力強いお経ですね」とか、「穏やかな」とか言われることになります。

●大島c明住職著『死んだらおしまい、ではなかった』(PHP研究所刊)より抜粋。同著の問い合わせTEL:03〜3239〜6257(PHP研究所ビジネス出版部)

■1944年大阪市生まれ。仏教大学・同大学院修了(文修)、僧正。87年12月、船橋市上山町に大念寺開山。08年5月、同市馬込町に新寺移転。




世界に誇るモザイクアート エコ平板
北総線千葉ニュータウン中央駅前デッキに完成 印西市

北総線千葉ニュータウン中央駅前デッキで去る5月15日、「エコ平板」を敷設するデモンストレーションが行われた。参加したのは「エコ平板」を製作する印西市福祉作業所コスモス(以下コスモス)のメンバー8人と職員、そして施工デザインを担ったNPO法人「エコ平板・防塵マスク支援協会」理事長の橋田隆明さん(66)だ。

「エコ平板」とはモルタルを入れた型枠に建設現場で出る瓦やレンガ、石などの廃材を砕きモザイク模様に貼る平板のこと。現在は全国15カ所の障がい者の作業所などで製作され、高い評価を得ており、個人宅や民間企業からの引き合いも多い。

「駅前の広い空間なので、回廊をそよぐ風と花をイメージしてデザインした。誰にも真似の出来ない商品価値の高いエコ平板は世界に誇れるもの。本物の材料で本物を作っていることを多くの人に知って欲しい」と、障がい者の自活のための収入アップと認知度アップへの期待を語る橋田さんの思いは熱い。

橋田さんはコスモスが取り組みを始めた09年6月当初から製品を買い取り、約2年間保管。今回はコスモスの製品をメインにアフリカ、レソト王国のエイズ孤児施設「マービスエイズハウス」や横浜のアルコール依存症回復支援団体NPO法人「アルク」、鎌ヶ谷市福祉作業所「友和園」などで制作されたものと共に美しい暖かみのある大きな作品(465平方メートル)に仕上げた。

当日、メンバーは約2000個使用されたパーツの中から自分の作品を見つけだした。「作るのは楽しい。石を並べるのはおもしろい」と小野寺結輝さん(23)もうれしそう。「自分たちの作品が、このような素晴らしい大作になることを今日メンバーは初めて知り、イメージが出来て良かったと思う。この活動を全国の人に知ってほしい」と話すのは指導員の久本真司(39)さん。駅前では今、道行く人がふと立ち止まり美しいモザイクアートを眺めている。

▽問い合わせTEL:0476〜42〜0470「印西市立福祉作業所コスモス」。

TEL:04〜7170〜5081「エコ平板・防塵マスク支援協会」。

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福祉作業所コスモスのメンバーと橋田さん(前列左端)




地域の人に支えられて 創立100周年記念行事
千葉県立千葉盲学校 臨床実習で地域住民とふれあい 四街道市

県内で唯一の視覚障害者のための学校、県立千葉盲学校(田中省三校長・在校生118人)は今年で100周年を迎えるにあたり、先月6日、同校体育館で記念行事が行われた。元教諭の纐纈(こうけつ)建史さんによる講演や歌手の金子知里さんによるミニコンサートが開かれた。生徒代表でお礼の言葉を述べた中学部1年の中嶋麻衣さん(13)は「もしも願いが一つだけかなうなら心の美しい私になりたい」と語り、自立に向けての指導だけでなく、心の成長もしっかりサポートされていると実感した。

同校の高等部専攻科では、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師になるための専門教育を行っていて、国家資格取得のために高等学校卒業以上者が学んでいる。学習の一環に同科の理療科と保健理療科の3年生は、地域の人たちに実費負担で臨床実習を行っている。

腰痛がひどく月に2、3度来校するという四街道市在住の井上晃子さん(68)は「励ますつもりが、明るい生徒さんたちに元気をもらっている」と笑顔で語り、待合室は地域のコミュニティの場のようだ。実習を行う生徒の年齢は様々。24歳の時に視覚障害になり、飲食業から資格取得のために同校に入学した高橋祐一さん(43)は「実習に協力してくださる利用者の方は、私たちを理解し、温かな目で見守って下さるのでとてもありがたい」と語る。

生徒の実習には担当教諭が責任を持って指導しているので安心だ。現在、3年生の10人がローテーションを組んで実習にあたっている。電話予約は不可、来校のみの受け付け。予約は取りにくい状況だが、盲学校に足を運ぶことで、少しでも地域の理解が深まることが期待される。

▼実習日時=月・水・木・金曜、8時50分〜。(学校行事のある場合は変更あり)。

▼住所=四街道市大日468〜1。

▼TEL:043〜422〜0231

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金子さんの歌声に合わせて楽しい一時を過ごす子どもたち
利用者の症状に合わせて適切に施術されます




生物多様性JAPAN公開フォーラム
『災害と生物多様性ー災害から学ぶ、私たちの社会と未来ー』
10日 千葉大

東日本大震災は地震、津波、原発事故により多くの人々に甚大な災害を及ぼし、くらしや産業を支えてきた生物多様性にも大きな影響を与えた。災害の実態や影響を適切にとらえ、復旧、復興と生物多様性ゆたかな持続可能な新たな社会への取り組みについて、意見・情報交換のフォーラムが開かれる。対象は一般、参加無料。

■公開フォーラム内容
はじめに・被災地の映像。堂本暁子(前千葉県知事)。基調講演「災害と生物多様性」岩槻邦男(兵庫県立人と自然の博物館館長)。講演=過去の地震と津波、海の生態系異変、災害と動物。パネルディスカッション=里山海の被災と復興・標本レスキュー・過去を未来へ。

●開催期日=7月10日10時30分から。

●開催場所=千葉大学西千葉キャンパス 文学部203棟。

▽問い合わせTEL:03〜3817〜7193(FAX兼用)。

E-mail:mail@bdnj.org

●主催事務局=生物多様性JAPAN(中央大学 西田治文)
http://www.bdnj.org/index.html

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